S&T P90 ハイスピードギアの組込と加工
ハイサイクル化計画の中編です。前編では回転数の低い純正モーターから東京マルイEG1000に換装して15.8発/秒と標準的なサイクルにすることができました。
中編では、13:1ハイスピードギアを組み込んでさらなるハイサイクル化を行います。
注意です!
S&T製 P90では軸受の表面を削って薄くする加工をしないと私が購入したSHS製ハイスピードギアを組み込むことはできませんでした。
単なるパーツ交換ではないので、もし私のブログを参考に加工される方は、慎重に行ってください。
後編ではセクターギアの歯を削ってストロークを少しだけ短くします。ハイスピードギアと11.1Vリポバッテリーを組み合わせれば、それだけで30発/秒くらいのサイクルを出せます。フルストロークのままハイサイクル化すると、ギアクラッシュになるかもしれないので、おすすめできません。
使用するパーツと工具
- SHS製13:1ハイスピードギアセット(たぶんVer. 2用)
- SHS製セクターチップ ディレイラー
- タミヤモリブデングリス
- #400耐水サンドペーパー
- ボンド強力接着剤ウルトラ多用途(クリア)
- ノギス(安物)
軸受を加工しなければならない理由
S&T純正スパーギアの写真の部分の寸法は約12mmです。
一方SHS製13:1ハイスピードギアの同じ部分の寸法は約13mmあります。このまま組み込むとスパーギアと軸受が完全に干渉してしまい、ギアが一切回らないどころか、メカボをきちんと締めることすらできません。
旋盤と技術があればハイスピードギアを加工して寸法を直すことも可能なのでしょうが、私では無理です。
軸受の加工
個体差なのか標準的な位置なのか不明ですが、スパーギア用の軸受の面がメカボの面よりかなり飛び出ています。
メカボ側を加工するのは技術的に難しくリスクも高いので、両側の軸受を0.5mmずつ削ってスパーギアを収めようと思います。
加工方法は簡単ですが、作業は思いのほか重労働でした。#400耐水サンドペーパーに水をつけながらひたすらこする、仮組みして確認し、またこするを繰り返します。
安物ノギスで小さな部品を測定する場合、コンマ台は信用なりません。こする、仮組みするを繰り返すこと約1時間、ようやくスパーギアがきれいに回るようになりました。S&T純正メタル軸受けの材質は不明ですが、やたら硬いです。#400の耐水サンドペーパーでは全然削れないといった印象でした。
ここて注意点です。
写真を取り忘れましたが、SHSのスパーギアの下側の軸にはくぼみがあります。Ver. 2のように真円の軸受なら関係ありませんが、Ver. 6のスパーギア用軸受はご覧のとおり楕円形。そうです!軸受が楕円形だから収まらないのです。
想像するに、ギアの強度を出すだめ歯の厚みを純正品より増やしているのでしょう。そのままだと軸受と干渉してしまうので、軸受周辺だけ座ぐりしてあるからVer. 2メカボなら問題にならない。しかし、Ver. 6メカボの場合、軸受が楕円形なので座ぐりに収まらず、干渉してしまうのでしょう。
と、いうことで、このままではスパーギアと軸受の当たりに偏りができてしまうので、0.5mmのシムをスパーギアの下側にいれてもスムーズに回るように軸受の表面を削っていきます。
軸受は接着しないと異音の原因になるとか。瞬間接着剤系は振動や衝撃に弱いものもあるので、私は液状やゼリー状ではなく、ネバネバ系のボンド強力接着剤ウルトラ多用途を使って固定しています。
セクターチップをはめ、グリスをほどよく塗りギアを組み立てます。まだセクターギアの歯落としはしていませんので、フルストローク状態です。
後編では、セクターギアの加工、ピストンの加工、スペーサを入れて初速のかさ上げを行う予定です。
後編へ続く。