エンジニアの暇つぶし

プラント系エンジニアによる情報発信です。

【3機種で比較テスト】ガスブロマガジンカスタムの効果

ブラックバルブガスルートシールパッキンエアロの効果を3機種で確認してみた

 

 今回はカスタムパーツの効果を検証する記事です。全部読む時間がない方のために条件と結果だけ先に発表します。

使用パーツ

  1. タニオコバ ブラックバルブ(ハイキャパ用とグロック用)
  2. イラクス ガスルートシールパッキンエアロ(ハイキャパ・P226用)

【メーカ製品ページリンク

http://www.taniokoba.co.jp/service.html

https://www.laylax.com/products/detail.php?product_id=4442

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使用パーツ

 

 テストエアガン

  1. シグ ザウエル  P226 E2(東京マルイ
  2. ナイトウォーリア(東京マルイ
  3. ハイキャパ5.1ゴールドマッチ(東京マルイ

 3機種とも新品ではなく、普段からお座敷やサバゲーで使用しており、バレル交換などもしています。テスト開始前の初期状態(完全純正とは限らない)などは結果表にも記載してあります。

消耗品他

  1. BB弾:BATON AKRIBIS BIO BBs 0.25g
  2. ガス:ライラクスハイバレットガス
  3. 弾速計:よく見かけるやつ
  4. 温度計:ANDの安いやつ

 

結果

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結果表

テスト1 シグ ザウエル P226 E2

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バルブ比較

 左がSIG純正、右がタニオコバブラックバルブグロック系です。いろいろ思うことはありますが確認の方法がないので、ブラックバルブはこういうものなのだとスルーすることにします。

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P226にも使えます

 パッケージにはP226の記載はないのですが、裏面のバーコードにM92F/P226共用と記載されています。

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ガスルートシールパッキンエアロとの比較

 ハイキャパの場合、パッキンをライラクス製ガスルートシールパッキンエアロに交換しただけで2.69%の初速アップをしていますからね。どうなんでしょう。

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パッキンが入るマガジン側

マガジン側の形状です。バルブは抜いてあります。

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パーツを組み込んだ状態

 ブラックバルブとガスルートシールパッキンエアロをSIG P226のマガジンに組み込んだ状態です。マガジンをスライドが閉まった状態の銃本体に挿入すると、以前よりマガジンキャッチが掛かりにくくなりました。ガスルートシールパッキンエアロのマガジンからの飛び出し部分(写真の紫色の部分)が純正より多いので、閉まりにくくなってしまいます。

初期状態の初速チェック

 SIG P226 E2の初期状態ですが、ライラクスのパワーバレルを組んでいます。そのほかは純正のままです。

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初期状態の初速
カスタム後の初速チェック

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カスタム後の初速
SIG SAUER P226 E2の結果

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SIG SAUER P226 E2

 結果はカスタム前にくらべ3.14m/s、約4.61%の初速アップを果たしました。また体感できるほどリコイルが鋭く、強くなりました。

  カスタム前のSIGは個体差なのかもしれませんが、他の手持ちのマルイガスブロにくらべて初速が低いように感じていました。また、ブローバックスピードや反動もイマイチでした。

 バレル、バルブ、シールパッキンを交換して0.25gのBB弾で70m/s台の初速がでるようになっただけでなく、ブローバックも少し早くなったように感じます。

 この初速なら、サバゲーでもヒットをとれるかもしれません。

 ※弾速が遅いとBB弾が飛んできたのに気づいてからでも避けられるので。余談ですが白いBB弾は目立つので、射手は弾道の調整をしやすい反面、相手にも避けられやすいです。

 

 参考までに0.2g(東京マルイベアリングバイオ)の場合は

  1. 76.27m/s
  2. 76.00m/s
  3. 75.88m/s

 平均初速76.05m/sでした。

スト2 ナイトウォーリア

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マガジンリップ分解

 マガジンのリップ(給弾口があるパーツ)を外すためにマガジンシャフト(写真の2本のピン)をピンポンチなどを当てて叩きぬきます。マガジンシャフトは軽い力で抜けますが、写真にあるとおり、マガジンシャフトの片側のみ抜け防止のローレット加工があります。(SIGはスプラインでした)

 マガジンシャフトを抜く際、SGI、ガバ、ハイキャパともバルブ側から見て左側からポンチを当てて、右側へ抜きました。今回の3機種ともローレットは右側にあったのですが、念のため、少しだけ叩いて出てきたシャフトの先端にローレットやスプラインがあるのを確認してから全部抜いたほうが良いかもしれません。

 組み立てる場合はシャフトをよく確認して、抜け止め加工が無いほうの先端から、リップに挿入してください。(今回の場合は右側から挿しました)

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ハイキャパ系のブラックバルブ

 左はナイトウォーリアの純正バルブ、右はタニオコバブラックバルブのハイキャパ系用です。 純正バルブを外そうとバルブレンチでバルブを回しているときに強めの抵抗を感じました。写真の通りOリングが痛んでいるのがわかりますが、メーカ組み立ての段階でOリングを噛み込んでいたのではないでしょうか。

 そういえば一時期マルイ製品のマガジンガス漏れってありましたよね。このナイトウォーリアは秋葉原のある有名ショップの店頭で購入しました。その際、ショップ店員さんが、マガジンにガスを注入して音で漏れていないことを確認させてくれました。これまでガス抜けもなかったので、単純に外すときに痛んでしまったのかもしれません。

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M1911A1共用です

 パッケージにはガバ系と思われる記号が書かれているのですが、裏面のバーコードにはっきりとM1911A1共用と記載されています。NW=Night Warriorだと思いますけどね。

初期状態の初速チェック

 ナイトウォーリアの初期状態はすべて純正部品です。

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初期状態の初速チェック

 ガバ系のマガジンは冷却に弱く、比較的重いスライドを動かすので夏以外は常にもっさりしています。純正でもインナーバレルが長めなので、初速自体はパワーバレルを組んでいるSIG P226の初期状態とほぼ同じですね。

カスタム後の初速チェック(その1)

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トラブル発生です

 ここでスライドの閉鎖不良が発生。ブローバックも鈍く、スライドが戻り切りません。写真中央は閉鎖不良のまま2発目を発射。写真上と下は閉鎖不良のスライドを指で押し、正しい位置にしてから発射した結果です。実は初弾装填時にスライドが戻りきらないことを確認していました。

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上:閉鎖不良 下:正しいスライドの位置

 原因はガスルートシールパッキンエアロがスライド内部の部品と強くこすれるようになったため、リコイルスプリングの力が足りず完全に閉まらない状態でスライドが止まってしまいます。

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パッキンリップの出代

 上はガスルートシールパッキンエアロをリップに組み込んだ状態で、下は純正パッキンです。紫色のゴムパーツがだいぶ飛び出ているのがわかるかと思います。強化リコイルスプリングに交換すれば閉鎖不良は発生しないかもしれませんが、手持ちが無いので、今回はバルブのみブラックバルブに交換し、パッキンは純正に戻すことにしました。

カスタム後の初速チェック(その2) 

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カスタム後(バルブのみ交換)の初速
ナイトウォーリアの結果

 結果はカスタム前にくらべ2.03m/s、約2.94%の初速アップを果たしました。体感的には若干スライドの動きが良くなったような気がするのですが、期待したほどの改善ではありませんでした。ただし、初速がアップしているということはブローバックさせる力も強くなっているはずなので、リコイルスプリングを交換すれば、もっとシャープにスライドが戻るかもしれません。

テスト3 ハイキャパ5.1ゴールドマッチ

 ナイトウォーリアのスライド閉鎖不良により、ガスルートシールパッキンエアロが一つ余ったので、昨年ブラックバルブを組んだハイキャパ5.1ゴールドマッチにガスルートシールパッキンエアロを組むことにしました。

初期状態の初速チェック

 ハイキャパ5.1ゴールドマッチの初期状態ですが、イラクスのパワーバレルとタニオコバのブラックバルブを組んでいます。そのほかは純正のままです。

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初期状態の初速

 この段階ですでになかなかのパワーがありますし、スライドもキレッキレです。ゴールドマッチのブローバックはスライドスピードが速く、リコイルは軽めです。サバゲーでは連射が利くし、装弾数も多くマガジンにもたっぷりガスが入るので使いやすいです。復活無限の攻防戦などでヒット覚悟で突っ込んでいくときは、長物の電動ガンよりゴールドマッチのほうが戦いやすいです。

カスタム後の初速

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カスタム後の初速
ハイキャパ5.1ゴールドマッチの結果

 結果はカスタム前にくらべ2.02m/s、約2.69%の初速アップを果たしました。体感的には大きな差を感じません。しかし、パッキンを交換するだけで2.69%も初速がアップするなんですごいですね。

総評

 この結果をどう思うかは人それぞれですが、数%の初速アップ効果がありそうです。ただし、ガスブロはマガジン温度やBB弾の精度によって初速のばらつきが大きいので、2~3%は誤差の範囲かもしれません。

 結果が思うほど良くならなかったとしても、法定範囲内であればカスタムそのものを楽しむだけでも、趣味としては楽しい時間を過ごせると私は思います。